補聴器とは? ~後編(補聴器の種類)~

日々、店舗でお客様と接していると、「補聴器と集音器の違いは?」や「高い補聴器と安い補聴器の違いは?」、「ポケット型、耳かけ型、耳あな型はどれがいいの?」等、色々なご質問を受けることがあります。

目が見えにくくなったらメガネをするように、耳が聞こえにくくなったら補聴器をつけるということはお分かりかと思いますが、「補聴器とはそもそも何か?」補聴器の基本的なことについて以下の順番でご説明していきます。

 

1、補聴器の基本

(1)補聴器の定義

(2)補聴器の構造

(3)補聴器の装用

2、補聴器の種類

(1)補聴器と集音器の違い

(2)アナログ補聴器とデジタル補聴器の違い

(3)補聴器の形(耳かけ型、耳あな型、ポケット型)

(4)高い補聴器と安い補聴器の違い

 

このページでは、「2、補聴器の種類」をご説明いたします。
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2、補聴器の種類

(1)補聴器と集音器の違い

 「補聴器の種類」と題しておりますので、ここで集音器の話をするのは場違いな気がしますが、補聴器と集音器が同じものであると認識されている方が少なからずいらっしゃいます。「新聞とかテレビCMでやっている安い補聴器っていいの?」という質問をお客様からよく受けることがありますが、そのほとんどが、補聴器ではなく集音器になります。

 では、補聴器と集音器の違いは何でしょうか? 主に三つございます

 まず一つ目は、補聴器は医療機器であり、集音器は医療機器ではないということになります。では、医療機器である必要があるのか?前述で、補聴器は管理医療機器であると述べましたが、この管理医療機器と認可されるには、安全面や効果等、厚生労働省が定めた一定の基準を上回らなければなりません。さらに、医療機器の販売にも管理者を設置しなければならない等の制限があります。したがって、補聴器(管理医療機器)は、安全性と効果がある程度認められているものといえます。他方、集音器には販売や製造に関して特別な制限はありませんので、通販やネット販売等でも簡易に手に入れることができるのです。

 

 二つ目は、性能の違いです。集音器よりも補聴器の方が、圧倒的に性能が高くなっております。集音器のほとんどは、基本的に音を増幅するのみの機能しかないのに対し、補聴器には音の増幅はもちろんのこと、指向性(音の方向がわかりやすく、言葉に集中する)・雑音制御(周りの雑音を抑え、騒音化での言葉を聞きやすくする)・衝撃音の緩和(突然の大きな音を緩和する)等の機能があり、周波数ごとの調整等補聴器を装用される方一人一人の耳に合わせることができるのです。

 三つ目は、価格の違いです。前述したように集音器と補聴器の差が価格に表れており、集音器は1~2万円程度ですが、補聴器は安くても10万円から50万円程度まであります。

(2)アナログ補聴器とデジタル補聴器の違い

 近年の補聴器はほとんどがデジタル補聴器ですが、一昔前までアナログ補聴器が主流でした。アナログ補聴器は、マイクで音を拾いアナログ信号のまま音を増幅し、レシーバーから音を出します。それに対して、デジタル補聴器は、マイクで拾った音をデジタル信号に変換し、レシーバーから音を出します。と言ったところで何が違うかよくわかりませんが、デジタル信号の場合は音を加工することが可能になり、雑音を抑えるなど様々な機能を働かせることができるのです。それにより、よりよい聴こえを提供することができ、アナログ補聴器の問題であったピーピー音などが解消されているのです。

(3)補聴器の形(耳あな型、耳かけ型、ポケット型)

 補聴器には主に3種の形状があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

①耳かけ型

耳の裏に補聴器本体を掛け、耳栓を耳の中に入れる補聴器が耳かけ型です。
メリット
・小型で見えにくく装用感の良いタイプから、手先が不自由でも扱いやすいタイプが選択できる
・軽度難聴から重度難聴まで対応可能
・カラーバリエーションが豊富
・お店に在庫があれば、すぐに購入できる
デメリット
・汗に弱い(最近は汗に強いタイプもある)
・耳にかけている部分にマイクがついているため、髪がすれる音などが気になりやすい
・メガネやマスクと併用すると、引っかかって脱落してしまう場合がある

②耳あな型

耳の穴にすっぽり収まる補聴器が耳あな型です。
メリット
・小型で見えにく装用感の良いタイプから、手先が不自由でも扱いやすいタイプが選択できる
・軽度難聴から高度難聴まで対応可能
・耳の型を取って作製するため、脱落しにくい
デメリット
・耳かけ型の装用感の良いタイプと比べて、こもり感がある

③ポケット型

本体とイヤホンをコードでつないでいる補聴器がポケット型です。
メリット
・価格が安い
・軽度難聴から高度難聴まで対応可能
・操作がしやすい
デメリット
・ポケットの中でのすれる音などが気になりやすい
・常にイヤホンをつけているため、見た目が気になる

(4)高い補聴器と安い補聴器の違い

 補聴器は、片耳で5~50万円程度とかなり価格に幅があります。補聴器の形によっても価格がことなりますが、平均的な価格は15~20万円前後となります。

 なぜ補聴器は高いのか?
補聴器の価格には、購入後のメンテナンス費用などが含まれているからです。補聴器は買えば終わりということではなく、2~3カ月に一度ご来店いただき、補聴器のクリーニングや点検を行います。また、必要であれば聴力測定を行い、補聴器の音の調整も行います。それら、クリーニング費用・点検費用・測定費用・調整費用が補聴器の購入代金に含まれているということになります。
※部品交換やオーバーホールを要する点検等は別途費用が掛かります。
また、補聴器は精密機械であり、開発に多額の費用がかかっているということも、補聴器が高価な理由の一つです。

 では、高い補聴器と安い補聴器の違いですが、まず補聴器の形(耳かけ型か耳あな型)で価格が大きく変わることはございません。補聴器の性能(中に入っている機械)によって価格が変わってきます。メーカーにより多少の差はありますが、価格が高くなるにつれて雑音を抑える力が強くなったり、音環境に応じて補聴器が自動的に音量等を調整してくれたりと、高機能になってくるのです。

補聴器とは? ~前編(補聴器の基本)~

日々、店舗でお客様と接していると、「補聴器と集音器の違いは?」や「高い補聴器と安い補聴器の違いは?」、「ポケット型、耳かけ型、耳あな型はどれがいいの?」等、色々なご質問を受けることがあります。

目が見えにくくなったらメガネをするように、耳が聞こえにくくなったら補聴器をつけるということはお分かりかと思いますが、「補聴器とはそもそも何か?」補聴器の基本的なことについて以下の順番でご説明していきます。

 

1、補聴器の基本

(1)補聴器の定義

(2)補聴器の構造

(3)補聴器の装用

2、補聴器の種類

(1)補聴器と集音器の違い

(2)アナログ補聴器とデジタル補聴器の違い

(3)補聴器の形(耳かけ型、耳あな型、ポケット型)

(4)高い補聴器と安い補聴器の違い

このページでは、「1、補聴器の基本」をご説明いたします。

 

1、補聴器の基本

(1)補聴器の定義

 では、まず補聴器とは何か?ということですが、文字の通り聴力を補う機器であり、難聴の問題を解決するための管理医療機器にあたります。

※管理医療機器とは、副作用や機器の機能に障害が生じた場合に生命や健康に影響を与えるおそれがあるため、適切な管理が必要な医療機器で、高度管理医療機器以外のもので、薬事法に基づく医療機器のクラス分類(生命や健康に影響を与えるリスクの大きさ)でクラスⅡ(リスクが比較的低い)に分類されております。

(2)補聴器の構造

左:耳かけ形(RICタイプ)と右:耳あな形(CICタイプ)の基本構造

補聴器の基本的な機能は、マイクロホンで音を拾い、アンプで音を増幅させ、レシーバーから音を出すという仕組みで、近年のデジタル補聴器はその基本的な機能に、雑音制御や指向性等様々な機能を付加することにより、よりよい聴こえを提供しております。また、補聴器は空気電池を電源としております(ポケット型は単三や単四のアルカリ電池等を使用)。最近は、充電式の補聴器も出てきておりますが、まだまだ空気電池が主流で、定期的に取り換える必要がございます。

※補聴器の電池について詳しくはこちら

(3)補聴器の装用

 補聴器は購入して終わりではございません。何度か店舗に足を運んでいただき、補聴器を調整していくということが必要不可欠なのです。なぜなら、購入時の調整で聴こえに満足される方はほぼ皆無だからです。

 補聴器を購入される時は、聴力測定の結果からどれくらいの音を補聴器から出せばよいかという目標利得を計算し、補聴器を調整(フィッティング)しますが、初めて補聴器を装用される場合は、今まで様々な音が聞こえていない状態で生活していた耳が、補聴器装用により様々な音が聞こえる状態になるため、ほとんどの方がうるさいと感じられます。したがって、補聴器を初めて装用するときは目標利得の60~80%から装用開始し、補聴器に慣れていくに連れ徐々に目標利得(または満足のいく聴こえ)に近づけていきますので、何度か店舗で調整していくことが必要です。

 

補聴器の電池について知っておくべきこと

「電池 イラスト」の画像検索結果

補聴器を使用されたことのある方は、必ず補聴器用の電池を使用されていると思いますが、「空気電池って初めて聞いた」や「新しい電池を使ったのに、すぐに電池が切れた」、「使ってもないのに、電池が切れていた」等々いろんなご相談を受けることがございます。

補聴器には特殊な電池を使用しておりますので、一般的な乾電池やボタン電池のような感覚で使用すると、効果を十分に発揮できない場合がございます。補聴器は、電池を使用する製品(主に電化製品)の中でも、かなり極小サイズの製品ですが、毎日10時間程度使用することが一般的ですので、小さいサイズ且つ大容量の特殊な電池が必要になるのです。

補聴器を使用するということは、補聴器用空気電池を使用するということになりますので、少しでも長く補聴器を使用できるように、補聴器用空気電池について知っておくべきことを以下に記載致します。

 

■補聴器用空気電池の種類

主に以下4種の空気電池が使われています。

・名称:PR536(10A) サイズ:5.8×3.6(㎜) 寿命:約6日 シールの色:黄色

「PR536 GN」の画像検索結果

・名称:PR41(312) サイズ:7.9×3.6(㎜) 寿命:約10日 シールの色:茶色

「PR41 GN」の画像検索結果

・名称:PR48(13) サイズ:7.9×5.4(㎜) 寿命:約2週間 シールの色:橙色

「PR48 GN」の画像検索結果

・名称:PR44(675) サイズ:11.6×5.4(㎜) 寿命:約1か月 シールの色:青色

「PR44 GN」の画像検索結果

 

■補聴器用空気電池の基本

・補聴器用の電池は、空気電池(空気亜鉛電池とも呼ばれている)を使用しており、補聴器の種類に応じて、空気電池のサイズも異なりますので、使用する補聴器に合ったサイズを使用してください。

※ポケット型補聴器は乾電池の場合が多く、ここでいう”補聴器”とは、“耳あな型補聴器・耳かけ型補聴器”のことをいいます。

・プラス極に小さな穴が開いており、そこから空気(酸素)を取り入れて発電します。使用しないからといって、プラス極にセロハンテープ等を貼ることは、電池の不具合の原因になります。

・外気(乾燥・低温)の影響を受けやすい性質です。気温も低く、乾燥している冬場は寿命が短くなるケースが多くなっています。

・ボタン型電池と比べて寿命が約2倍且つ軽量です。

・シールを剥がすと発電し続けるため、電池を使わなくても放電し続けます。

 

■補聴器用空気電池を長く使用するコツ

・電池を使用するまでは、シールを剥がさないようにします。

(シールを剥がすと発電開始し、放電し続け、寿命が短くなります。)

・シールを剥がしてから、30秒~1分程度経ってから使用します。

(シールを剥がした直後は正常に動きません。)

・補聴器を乾燥ケースや乾燥器に入れるときは、電池を外します。

(空気電池を乾燥すると、寿命が短くなります。)

・補聴器を使用していないときは、補聴器のバッテリードア(電池の蓋)を開けておきます。または、電池を外し+極を下にして置いておきます。

(補聴器を使用していないときに、電池を消耗しないようにします。)

・二酸化炭素の発生する機器(ガスストーブ等)を使用する場合は、定期的に換気します。

(排出された二酸化炭素の影響で電池の寿命が短くなります。)

・電池が冷えている場合は、体温で少し温めてから使用します。

(電池が冷えていると十分に機能しません。)

 

■その他注意事項

・電池が切れた場合は、すぐに補聴器から取り出します。

(放置すると電池の液が漏れてきて、補聴器が故障する場合があります。)

・電池を捨てるときは、電池を購入されたお店で回収してもらいましょう。

 

 

補聴器の価格について

「補聴器には価格が安い物から高い物まであるけど、価格によって何が違うの?」

というお話をよく耳にします。

安い物は、数千円~2万円程度の価格ものまでありますが、”補聴器”ではなく”集音器”がほとんどです。

補聴器では、2万円~3万円程度の安い物から50万円程度の高い価格ものであります。 ※片耳の価格

 

高いから良い、安いから悪いということではなく、

それぞれの使用目的に合った補聴器を選ぶことが大切です。

また、耳かけ型と耳あな型では、大きな価格差はありません。

(補聴器の形では価格はそこまで変わらないということです。)

 

では、補聴器(集音器含む)を価格別に見ていきましょう。

 

1、1台50万円前後の補聴器(耳あな型(オーダーメイド)、耳かけ型)※自動調整

■特調

・ハウリング制御で、ピーピー音が鳴りにくい。

・雑音制御能力が一番高い。

・音の環境(うるさい場所や静かな場所等)に合わせて補聴器が自動で音を細かく調整してくれる。

・補聴器の音をかなり細かく調整できる。

・音質が良い(クリアに聴こえる)。

・保証がかなり手厚い(修理保証、紛失保証等)。

■こういう方におススメ

・いろいろな場所にいっても何もせずに快適に聞きたい方

・ご自身でリモコンや補聴器本体でボリュームや音質を変更するのが面倒な方

・聞こえにこだわりのある方

・よりよい音質を求める方

・調整や聴力測定などに時間がかかってもよい方

2、1台30万円前後の補聴器(耳あな型(オーダーメイド)、耳かけ型)※半自動調整

■特調

・ハウリング制御で、ピーピー音が鳴りにくい。

・雑音制御能力が高い。

・音の環境(うるさい場所や静かな場所等)に合わせて補聴器が自動で音を調整してくれる。

・補聴器の音を細かく調整できる。

・音質が良い(クリアに聴こえる)。

・保証が手厚い(修理保証、紛失保証等)。

 

■こういう方におススメ

・いろいろな場所にいっても何もせずに聞きたい方

・ご自身でリモコンや補聴器本体でボリュームや音質を変更するのが面倒な方

・調整や聴力測定などに時間がかかってもよい方

 

3、1台15~25万円前後の補聴器(耳あな型(オーダーメイド)、耳かけ型)

■特調

・ハウリング制御で、ピーピー音が鳴りにくい。

・雑音制御が可能。

・補聴器の音を調整できる。

・音質が良い(クリアに聴こえる)。

・保証がある(修理保証、紛失保証等)。

■こういう方におススメ

・ご自身でリモコンや補聴器本体でボリュームや音質を変更するのが面倒ではない方

・補聴器が初めての方

・調整や聴力測定などに時間がかかってもよい方

 

4、1台10~15万円前後の補聴器(耳あな型(オーダーメイド)、耳かけ型)

■特調

・ハウリング制御で、ピーピー音が鳴りにくい。

・雑音制御が少し可能。

・補聴器の音を調整できる。

・保証がある(修理保証のみ)。

■こういう方におススメ

・ご自身でリモコンや補聴器本体でボリュームや音質を変更するのが面倒ではない方

・補聴器が初めての方

・調整や聴力測定などに時間がかかってもよい方

・補聴器にお金を使いたくない方

・雑音等が大きくてもある程度聴こえれば良いと思われる方

 

5、1台5万円~10万円前後の補聴器(耳あな型(既製)、耳かけ型、ポケット型)

■特調

・雑音制御が少し可能。

・補聴器の音を調整できる。

・保証がある(修理保証のみ)。

■こういう方におススメ

・補聴器にお金を使いたくない方

・雑音等が大きくてもある程度聴こえれば良いと思われる方

・騒がしい場所で大切な会話を聞く機会のない方

 

 

6、1台2万円~5万円程度の補聴器(耳あな型(既製)、耳かけ型、ポケット型)

■特調

・通販やインターネットで購入が可能。

・雑音やピーピー音がうるさい。

・アフターサービスはコールセンターのみで対応。

■こういう方におススメ

・補聴器にお金を使いたくない方

・雑音等が大きくても良いと思われる方

 

7、1台2万円未満の補聴器(主に集音器)(耳あな型(既製)、耳かけ型、ポケット型)

■特調

・ほとんどの場合が、”補聴器”ではなく”集音器”。

・通販やインターネットで購入が可能。

・雑音やピーピー音がうるさい。

・アフターサービスはコールセンターのみで対応。

■こういう方におススメ

・補聴器にお金を使いたくない方

・難聴がかなり軽い方

 

~まとめ~

では、一番多く売れている補聴器の価格帯はどれかということですが、

補聴器の専門店では、20~30万円程度の価格の補聴器が一番売れています。

※5万円未満の補聴器・集音器を除く(補聴器専門店では取り扱いがないため)

軽度な難聴の方で補聴器にお金をかけたくない方は、インターネットや通販で安い価格の補聴器を購入してみても

良いかもしれませんが、しっかりと聴力測定をして自分の耳の形・聴力に合った補聴器を装用されたい方は

専門店でご相談されてはいかがでしょうか。

特に補聴器は買って終わりのものではなく、恒常的にフィッティング(音の調整)することが大切ですので、

アフターサービスのしっかりとした専門店で購入されることをお勧めします。